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急性肝炎とは | |
急性肝炎とは、主に肝炎ウイルスが原因の急性の肝機能障害を起こすびょうきです。現在肝炎ウイルスは、5種類が確認されています。急性肝炎は一般的には経過が良好な疾患ですが、約1〜2%の患者は劇症化し、一度劇症化すると高率に死に至る可能性が高くなり、肝移植治療が必要となる場合もあります。 | |
感染経路 | |
肝炎ウイルスはA〜E迄の種類があります。 @A,E型は、経口感染で汚染された水、食物(汚染された牡蠣の生食や輸入貝類などでの報告があります。) AB,C,D型は、血液、体液を介して感染します。輸血や汚染血液が付着した針を体に刺すことで感染が成立します。 覚醒剤、刺青、不潔なピアスなどの行為、性行為は、一般的にB型・C型急性肝炎の感染のハイリスクと考えられています。 しかし、現在では、輸血による急性肝炎は根絶状態になりました。 |
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症状と検査 | |
前駆症状(発熱、咽頭炎、頭痛などの感冒様症状) 黄疸、褐色尿 食欲不振、全身倦怠感、 吐き気 嘔吐 腹痛 ウイルスが体内に侵入してから症状が出るまで通常3〜8週間の範囲ですが、B,C型では6ヶ月間である場合があります。 また、感染しても自覚症状がなく経過する場合も少なくないと言われています。 そのため、前駆症状が感冒様症状であり 初期は感冒と診断されて風邪薬を処方されていることが少なくありません。 この時点での急性肝炎の診断は困難です。 肝障害が生じていることを示す特異的症状は黄疸であり、通常は眼球の色の汚染、皮膚の黄染が出る数日前から褐色尿が観察されます。ウーロン茶のような色から、コーラのような色に変化していきます。この頃から食欲不振、全身倦怠感などの症状が出現します。 一般的には、血液検査で肝機能異常の程度を確認し、原因検索としてのウイルスの検査をします。 |
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急性肝炎の治療 | |
急性肝炎は、C型肝炎を除き 一過性に経過し、本来自然治癒しやすい疾患です。 もっとも重要なポイントは、重症化、劇症化への移行がないかどうかを見極めることです。 急性肝炎の予後は、重症化、劇症化しなければ極めて良好であり、A型、B型肝炎は終生免疫が成立し 再感染することはありません。しかし、C型肝炎は、急性期を経過した後 遷延化、慢性化に対してインターフェロンなどの治療が必要になります。 主な治療は、安静と食事療法です。肝臓に負担を与えないように 低タンパク食とします。 B型肝炎の重症化例、遷延化例では、抗ウイルス剤を投与します。 C型肝炎の自然経過では、約50〜90%が遷延化、慢性化します。慢性化防止するためには、インターフェロンを2〜6ヶ月間投与します。 詳しくは、病状によって異なります。B型肝炎の病気説明もご参照ください。 |